• 繍巧塾 設立にあたって

     世に伝統工芸の後継者育成の声は高いですが、若い人の意識も従事者の意欲も低いのが現状の昨今ではあります。

     まず日本人として身につけて欲しい感性、感覚、思考、文化を育てて行きたい。

     そんな思いで悶々としているところへ、来年高校を卒業するという女の子が見学にきました。

    刺繍業界・呉服業界が低迷している事等、技術習得の年月がかかる事なども話して、それでもやってみたいとの事。

     また考えさせられる事になり、よくよく考え、刺繍の養成塾なるものを作ろうと決意しました。

     「少人数ながらも育てて行く」。
     今までに私達が学んできたことや京都の町屋でしか学べないこと、昔の弟子入りの良いところも取り入れて修行していただけないだろうかと考えました。

     京繍の基礎から図案作りなどの仕事の手順、茶道・能・長唄などの伝統文化、そして基本となる礼儀作法や生活も共に学んでいただけるようにと。

     京町屋には、まるで酒蔵の中にコウジの菌があるように、京文化が発酵するための菌があり、それによって京都の伝統が熟成すると考えています。
     共に生活し共に仕事し共に学びたい若い人がいるならば、いつでも新しいお弟子さんを迎えようと思います。

     学校ではありません。実際の職人の仕事の現場ですから、厳しいことばかりかもしれません。
     それでも、この世界の新たな担い手となる気持ちが強い若者には、私達も惜しまずに全てを伝えていきます。


    若い人、職人を目指す人、一緒に勉強しませんか?


    長艸 純恵